口約束といえど、法的には契約です。


売買や貸借などは人間と人間の契約です。
たとえ口約束でも法的には契約になります。

契約書とは、その約束事の内容を明確にするため
当事者同士が作成した書面ですが
法的には、契約書の作成は必須でありません。

後日の紛争を予防するための証拠として
当事者同士が交わした書面を意味します。

ですから書面がない口約束であっても
法的には有効となります。

日本の法律でも
『意思表示について特別な方式を要しない』
となっています。

いわゆる契約自由の原則です。

ただ口約束を相手が守らなければ
裁判で訴えることができるのか?
と言われますと、実際には
損害(被害)が発生したかどうかにかかってきます。

裁判を起こす場合は、
金銭や苦痛といった実質的な損害(被害)が必要です。
ですから、
損害(被害)が発生すれば、たとえ口約束でも
相手に裁判を起こせます。

といいましても、
「口約束は絶対ではない」
という一般常識を裁判所も踏まえています。

口約束だからといって、
なんでも訴えることを裁判所は認めてません。

あくまで原則であり、どの程度なら裁判を起こせるのか?
それは裁判官が決めます。

先ず第一に、裁判で被害賠償を請求するには、
原告が口約束の存在を立証しなければなりません。

何らかの証拠が必要です。

「あのように口約束したが守らなかったので
 このような損害を被った」
などと、具体的に証明しなくてはなりません。

契約書はありませんから、本当に言ったという証拠が
どうしても必要です。
それを証明できれば、たとえ口約束であっても
裁判で訴えることができます。


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