これからの農業ビジネスについて (その4)



石川県能美市に
・借金、補助金
・農薬、肥料、・高額機械
・宣伝費など
全てゼロからスタートされて
初期投資は143万円
年間売上1200万円
になられた専業農家があります。

50種以上の野菜を栽培され
野菜や漬物の直売などの
販売を夫婦2人で営れてます。
ビニールハウス4棟だけの
日本一小さな専業農家です。

代表者の西田栄喜氏(48)は
オーストラリアをバイクで走られ
バーテンダーやホテル支配人を
された後に"ないないづくし"で
年間売上1200万円
(利益600万円)を達成されました。



『小さい農業で稼ぐコツ
 加工・直売・幸せ家族農業で
 30a 1200万円』 
西田栄喜著(農山漁村文化協会)


※下記は西田氏の著書から一部抜粋しました。
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日本は新規就農者を歓迎する状態ですが
公的機関は栽培技術を習得できても
私がやってる無農薬で無肥料という
農法を習得するのは難しかったりします。

現実的に新規就農するには
農家の研修生となり、
そのうえで公的機関を利用する
のがベストです。

どこで研修させてもらうかは
どの場所で起農するかによります。
ですから車で通える場所で
(片道1時間くらい)
研修しながら同時に独立準備します。

研修時代に築いた人的ネットワークは
独立後に何かあった時も
仲間がいるので助かります。

私は就農研修は自宅から車で
片道30分の農業法人で稲作と
漬物の加工技術を学びました。

無農薬栽培は無理でしたが
漬物野菜の技術の基本は
大きかったです。
業務用漬物の漬け方など
どのような道具が必要なのかなど
助かりました。

何度も落第と言われましたが
厳しい場所で鍛えられたから
今があります。

研修しながら同時に
自分でも栽培しました。
研修先で理解したつもりでも
自分がゼロからやってみると
できないことがあります。

なぜ、できなかったのか?
それを研修先に尋ねれば
勉強になります。

研修中はネットワークを広げる時期で
私の場合は研修先の農業青年会議
青年グループに参加したりして
公的な農業試験所の農業塾に
週1回コースで習いに行きました。

仲間がいると刺激になりますし
試験場の先生に分からないことを
質問したり相談できます。

知り合った仲間のおかげで
販売先も見つけられました。
独立してやっていけるのは
ご縁があればこそで
これを肝に銘じてください。

私の農園は本当に小さいと
訪問者の方は言われます。
農地面積が通常農家の
10分の1以下(30アール)で
「日本一小さい専業農家」です。

---引用はココまで---



西田氏は大学卒業後
バーテンダーを3年ほど勤められ
オーストラリアで1年間の遊学され
帰国されてビジネスホテル支配人
に就かれました。

ですがサラリーマン生活に疲れて
郷里の石川県に帰られて
全てゼロから起農されました。

農業技術もなく普通にやっていては
ひとたまりもありませんので
最初に思いつかれたのが
農業の常識を疑うことでした。

・農業は儲からない。
・農業を始めるには農機具費など
 莫大な資金が必要。
・補助金がないとできない。
・技術習得に時間がかかる。
・広い土地が必要。
・天候により収入が不安定。
・自然が相手で休みがない。

そのような常識の中で
疑問を抱かれたのが
大規模化でした。




借金なしで補助金に頼らず
面積が小さくても農業できるはず
と思考錯誤され、スモールメリットを
活かす農業を模索され
加工から直売まで取り組まれ
ネットも活用されました。

無農薬農法で栽培され、
2012年からは無肥料栽培の
「炭素循環農法」
に切り替えられました。

予約販売や加工技術で
ロス(廃棄)ゼロを構築され、
日本一小さな専業農家に
なられました。

3万円で購入された中古機が
今もメインとなっています。

このように、常識はずれでスタートされ
通常なら1000万円は掛かる初期投資は
143万円でした。
労働力はご夫婦2人だけで
年間売上1200万円、所得(利益)600万円を
達成されてます。


農水省から一般人まで
全国から訪問に来られます。





経験なし
資金なし
大きな農地もなし
販売ルートもない
ゼロから起業され成功されました。

新たなビジネスの芽を探し出して
資金や技術でなく、やり方を工夫されて
小さくても農業で稼ぐことができることを
西田氏は証明されました。

あくまで私個人の意見にすぎませんが、
このような成功事例は
1%以下と思います。
西田氏のたぐいまれな努力と精進の
結果ではないでしょうか。



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