お役所の地方創生事業

大都会で起業すれば
人口が多く居られますから
狭い範囲で商圏を拡げる
ことは容易で、それに
ベンチャーキャピタルからの
出資も受けやすいと
いわれます。

ですが、山奥でない限り
地方も交通インフラが整備され
数時間くらいで上京できる
ようになりました。

時間的距離が大幅に短縮され
地方に拠点を置かれて
地方独特の優位性を生かされた
ビジネスを起業される事例が
増えました。

メガネチェーンJINSの社長さんは
群馬県で起業家を育てる
イノベーションスクールを
立ち上げられました。

それに、人口が多いということは
都会で起業すれば同業他社との
競争も厳しくなりますが
地方はライバル企業が少ないです。

たとえば、田舎で小学生を対象に
IT教室を運営する企業があります。
プログラミング講座
3Dプリンタの使い方
ロボットの製作
などが注目を集めてます。


さらに、
地元の住人でも迷うような山奥で
起業された会社があります。

竹炭やお茶のカテキンを使った
鮮度保持剤を製造されています。

冷蔵庫に入れて専用装置と併用し
野菜鮮度を3週間も保てる商品です。

また、
高知県の土佐山で開業された
「土佐山アカデミー」は
http://tosayamaacademy.org/
地方の利点を生かされた
ビジネスモデルです。

6ケ月の起業プログラムで
新規ビジネスを立ち上げる
セミナーを開催されてます。

過疎の山村で小学校も中学校も
閉鎖された山奥ですが、
・訪日外国人観光客に部屋を貸して月5万円
・カフェ営業して月数万円
・クラウドソーシングで仕事を受けて月数万円
などの売り上げで、
月20万円くらいの利益が確保できる
といわれます。

大都会に住んでおられましたが
1人の先生が40人の児童を指導する
というのは「教育として破綻している」と
感じられました。
自然に恵まれた高知県の過疎村の
1クラス数人の学校が気に入られ
引っ越しされました。


中小企業白書2014年版によれば
沖縄県は企業の開業率が
日本で一番になってますが、
実際のところは、沖縄には働く場がなく
飲食店などを開業されるとの理由です。

沖縄県は大卒者が約4000人/年ですが、
25%が定職に就けないといわれます。

そんな沖縄県には、
世界でも最先端とされる大学院が
あります。
2011年に設立された
沖縄科学技術大学院です。


沖縄科学技術大学院

ノーベル生理医学賞の
シドニー・ブレナー博士を
招聘されています。

教員1人に対し学生2人という
少数精鋭で公用語は英語に
なっています。
教員と学生の半分以上が
外国人という環境です。

文科省の予算で優れた人材を
育てることを目的に設立されました。


沖縄科学技術大学院


あくまで私個人の考えにすぎませんが、
沖縄で最先端の大学院を設立して
研究の成果を地元(沖縄)に生かす
という仕組みが、
どのように構築されているのか?
それが分かりませんので
迂闊なことは言えませんが、
いくら地方創生といっても
地元(沖縄県)産業の発展が
目的のはずです。

税金で豪華な研究施設を作られて
外国から教授や留学生を受け入れて
卒業後されたら本国に戻られるという
学生がほとんどではないでしょうか。

地元沖縄の発展に役立つ仕組みが
確立されてなければ
どんなに立派な大学院を作っても
価値があると思いません。

だから
沖縄に住む普通の若者は
飲食店や長期滞在者用宿泊施設を
開業されるしかないのではと
思ったりします。

多額の税金を補助されるなら
地理的条件から見て
たとえば
台湾やフィリピンに輸出される企業の
工場用地に補助金を支給して
格安で誘致されたほうが
地元住民に恩恵があると思います。

地元住民が恩恵を受けなければ
何の意味も価値もなく
貴重な税金をドブに捨てるだけです。

儲かったのは建設業者と
政治家と天下り官僚でしょう。

そして現在も
『地方創生』
と名付けては
税金を費やし、
同じことを繰り返してます。


西播磨テクノポリス


何十年も昔のことですが、
県会議員さんと当地域の農業振興で
お話しする機会がありました。
その時に、
西播磨テクノポリスへの
アクセスについて提案しました。

JR姫新線の千本駅から分岐して
テクノポリスまでトンネルを掘れば
鉄道アクセスが便利になり、
仮称『テクノ中央地下駅』を建設して
姫新線を電化して新快速を通せば
大阪まで通学通勤距離になります
と説明しました。

姫新線の新快速停車駅を
播磨新宮と本竜野にすれば
姫路駅まで約30分くらいです。
通勤通学には便利と思いました。




説明を聞いた県会議員さんは
「すでに山陽自動車道の相生ICから
分岐してテクノポリスまで高速道路を
建設するから要らない」
と言われました。



神戸新聞 2015年12月7日版より

播磨科学公園都市
(西播磨テクノポリス)は
当初の計画人口が
2万5000人だったのに
2015年現在は
5.7%の1434人しか居住されてません。

交通インフラの不備による
生活上の利便性がないことが
原因と思います。



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