これからの農業ビジネスについて (その1)



有機野菜のような農産物を
卸売市場や仲買業者を介さず
独自の販路で売るためには
売り先(消費者)を

・どのように見つけて
・どう接触すればいいか?

それを考えることがポイントになると
いわれます。

また、ネットで無農薬栽培された野菜を
『家庭向け野菜セット』で販売されてますが
買い手のネットユーザーの多くは
小さな子供さんがおられる家庭が多い
という調査結果もあります。

そのような家庭の『食』にこだわる
主婦さんとの接点を築くには、
どうすればいいか?
どのようにして情報を発信すればいいか?
それらを検討しなければなりません。

たとえば、
『食の安全』に関するセミナーや講演会が
各地で開催されてますが、その時に
主催者の許可を得てチラシなどを
配布させてもらう方法があります。
あるいは
ママさんグループの会合に出席して
自分の農産物を知ってもらいます。

このように、売り先ターゲットを絞って
消費者さんと実際に手が届くような
人間関係を築きます。

言い換えれば、
商品を買ってもらうため
新規の見込み客に対して
売り手側のほうから接点を作り
営業してることになります。

ですから、農家と言えど
販路開拓などの営業は
避けて通れません。

また、地元直売所に委託したり
スーパーで特別コーナーを設置して
不特定多数の消費者さんを
ターゲットにする場合は
有機(無農薬)野菜について興味なく
ただ安ければいいと考える消費者は
相手にしなくて構わないとされます。

無関心な消費者に対して
有機栽培の良さとか利点を説明すれば、
理解してもらえるといった期待は
持たない方がいいといわれます。

消費者の意識を変えるには
大変なエネルギーを費やします。
農家さんは、そこまでする必要はなく
というか無理です。
『欲しい』と求める消費者さんを
見つけ出すことが重要です。

そのためにも、ブログやFacebookなど
SNSやネット販売するWebショップは
どうしても必須となります。

SNSが新規顧客開拓の
営業を担ってくれます。

ネットも使わずに販売されるなら
数年後には離農されてるかもしれません。
今の時代は誰もが簡単に、安価に
ネットから情報発信できるようになりました。

ネットショップは面倒くさいと思われる
かもしれませんが、地道な営業活動より
よほど便利なツールです。

時代は大きく変わりました。

農業に限らず、自ら事業されるのなら
ネット活用は当然の業務と思います。

そして農産物を直接販売されるには
マーケティングは必須業務です。

農協などの卸業者と契約しているから
自分は関係ないと思われる農家さんも
おられますが、こだわりの農産物を
自ら売りたいと願われるなら
マーケティングの大切さも
理解されていた方が良いのではと
思います。

農家といえど事業主さんです。

商売はモノを売り、利益を上げることで
成り立っています。
野菜などの商品を売るため
自社商品を広くアピールして
宣伝するのは当然です。

だから、
営業やマーケティングは
苦手と言っておられません。

自分で売るという選択をされたら
なおさら、宣伝しなければ売れません。
売る努力をするのは当然では
ないでしょうか。

それに、
どんな人に買って欲しいか?
どんな人に食べて欲しいか?
それが決まってなければ
商品は作れないと思います。

"誰に売るのか?"

『食の安全』を求める人に
無農薬で無化学肥料で
栽培した農産物を売る。
あるいは、
レストランのシェフに対し
美味しさを追求して売る。
また
野菜嫌いの子供さんがおられる家庭に
苦味を抑えた品種の農産物を売る。

誰に対し、何を売りたいのか?

それを明確にしなければ
どんな品種で、どんな農産物を
どのように育てればいいか?
それが決まりません。

誰に対し、何を売るのか?

それが分かっているからこそ
相応しい農産物が作れます。


有機(無農薬)栽培農家さんは
ご自身の誇りとこだわりをもって
自慢の農産物を作られています。

ご自身が美味しいと感じられ
満足できると納得されてるからこそ
自信をもって売られています。
ですが
ごく たまぁ〜に
「おすそわけ」という感覚で
売られたりしています。

このような農家さんが
たまぁ〜におられます。

自給自足の暮らしがしたくて
山奥の田舎で農家になり
収入の足しになればといい
そのくらいの気持ちで
余った農産物を売られるなら
何の問題もありません。

ですが
それなりに収入を得て
それなりの生活を望まれるなら
たとえば
一般のサラリーマンと比べて
同じような暮らしを望まれるのであれば
営業もキチンとしなければなりません。

そのために
売れる商品、買ってもらえる商品を
作らねばなりません。

お客様のニーズを第一に考え
自己満足でなく、
お客様が求めるものを知ることが
大切になります。

それがマーケティングです。

そして販売戦略を立て
プロモーション活動して
実際に売って利益をあげる。

そのプロセスを構築することが
マーケティングです。

ターゲットに向けて
効果的な手法で
宣伝したくても
誰に売りたいのか?
それが分かってなければ
戦略も宣伝もできません。
  
だからこそ
マーケティングは
とても重要です。

堅苦しく考える必要はありませんが
知っておかれると有利に経営できます。
心強い味方となるはずです。


(その2)に続く


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