コンシューマーからカスタマーへ
(その1)

良い商品を作るのは難しいですが
『もし作れたら売れるはず』
と考える人がおられます。

良い商品を作っても
売れないケースは
いくらでもあります。

書店では数多くの小説が
陳列されてますが
ベストセラーになるのは
ほんの一握りです。

「売れる」
「売れない」
の違いはどこにあるのでしょう。

面白いとか素晴らしい本が
売れると思いますが
では、その本を買う顧客は
どのように見つけているのか?

小説は読んでみなければ
中味は分かりません。

初めての作家を選ぶ時は
「ベストセラーという評判」
「皆んな面白いと言ってる」
「信頼できる知人の推薦」
などがあります。

では、売れない小説は
面白くないのか?

そんなことありません。
売れない本の中にも
面白い本は多くあります。

多くの読者は気づいてないだけで
特に実績のない作家の作品は
どんなに面白くても
読者(消費者)は見つけにくいです。


初めての新商品を買う場合
その商品の価値は
どれくらいか?

その新商品を買う消費者は
きっかけとなる『手がかり』が
欲しいと願ってます。

・混んでるラーメン屋は美味しいはず
・売れてる小説は面白いはず
といったような『手がかり』を
求めてるはずです。

それを「シグナリング効果」
といいますが、売れているから、
消費者は『手がかり』を
見つけやすく、さらに売れる
という理由になります。


では、新商品の優れた価値や
ユニークなアイデアをアピールする
そのために
『手がかり』となるシグナルは
どのように作ればいいか?

シグナルが広がるための戦術を
考えねばなりません。

顧客に新商品の価値を
分かってもらえなければ
買ってもらえません。

そのため、
企業は莫大な経費をかけて
タレントをシグナルにして
宣伝しています。

ですが
ターゲットとなる顧客層を
把握できなければ
シグナルを送っても
効果は期待できません。

誰に対し
どんなシグナルを
どのように送ればいいか?

それがポイントになります。


ピーター・ドラッカー氏は
企業のミッションとは
「顧客の創造である」
と言いました。

商品を一度も買ってない人を
英語でコンシューマー
(consumer)と言います。

1回でも商品を買ったことのある人を
英語でカスタマー
(customer)と言います。

ドラッカー氏のいう
「顧客の創造」とは
カスタマーを増やすことを
指してます。

自社商品を体験している
カスタマー(顧客)に今後とも
買ってもらうことが
最高のビジネスになる
という考え方です。

ですが新規事業を立ち上げた時
どうしても新規のお客様を
獲得せねばなりません。

コンシューマー(新規顧客)が
カスタマー(常連客)になるには
なかなか難しいことで

たとえば、いつもの常連客には
感謝の気持ちを込めて
割引クーポンを贈るなど
VIP待遇します。

逆に、
あまり買ってくれないお客様は
なぜ買ってくれないのかを
見極める必要があります。

買ってくれない原因として
お店の存在を忘れてる
かもしれません。
その場合は、
新しいクーポン券を提供して
思い出してもらうのも
一つの方法です。

一度は遠のいた顧客に
再び買ってもらえるように
来店を促します。

感謝の手紙とクーポン券を送り
顧客が商品を買ったことを
思い出すようにします。


(その2)へ続く


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